流産後の最初の生理は、多くの場合、約5〜6週間後に始まります。早い人もいれば、遅い人もいます。排卵はそれより前に戻ることがあり、残っているhCGのために、妊娠検査薬が数週間は陽性のままになることもあります。
今、出血がとても多い、めまいがする、意識が遠のくといったときは、迷わずすぐに119番に電話して救急車を呼んでください。ほかの危険なサインは、最後のボックスにまとめてあります。
要点まとめ
- 最初の生理は多くの場合
- 5〜6週間後
- 出血は最長で
- 3週間
- 検査薬がまだ陽性
- 数週間
- 診察はたいてい
- 7〜14日後
最初の生理はいつ来る?
流産は喪失です。体のこれからのことや、生理がいつ戻るのかを知りたいと思うのは、ごく自然なことです。早い時期の流産は、ほとんどの場合、誰にも防げなかったものです。この文章は、主に妊娠12週までの早期流産について書いています。それより後の喪失については、最後の産休の項目もあわせて読んでください。そのほかのことは、産婦人科で相談してください。
最初の生理は、流産から約5〜6週間後に始まることが多いです。これは妊娠がどこまで進んでいたかにもよります。約8週間後までに来ることも、まだふつうの範囲とされています。何日目から数えるかは決まっていません。そのため、日付ではなく幅をもって考えてください。自然に排出された場合、薬を使った場合、子宮内容除去術(掻爬)を受けた場合のそれぞれについて、信頼できる別々の数字はありません。
流産そのものの出血は、生理ではありません。最長で3週間ほど続くことがあり、場合によってはそれより長引くこともあります。多くは、排出のあと次第に弱くなります。いったん落ち着いたあとにまた多くなったときは、医師に確認してもらいます。新しい周期で排卵が起こったあとの出血が、最初の生理です。
待っているあいだの目安は、次の3つです。
- 流産の出血が少しずつ弱くなってきたとき:最初の生理を待っている状態です。産婦人科での診察は、これとは別に受けてください。
- 約8週間たってもまだ生理が来ないとき:妊娠検査薬で調べて、産婦人科に電話で相談してください。厳密な期限ではありませんが、ちょうどよい目安です。
- いったん落ち着いた出血がまた多くなる、または約3週間より長く続くとき:医師に確認してもらうのがよいでしょう。
生理の量が多い、または長引くとき
流産後の最初の生理は、以前とは違うことがあります。たとえば、多い、少ない、短い、長いといった違いです。周期が落ち着くまでには、数か月かかることがあります。
流産後の出血には、ナプキンがいちばん手軽です。最初の数日はナプキンを使う人が多いですが、タンポンや月経カップを使っても問題ないとされています。最初の生理には、使いやすいものを選んで大丈夫です。体を動かすのをやめる必要もありません。セックスについては、専門家のあいだでも意見が分かれています。控える理由はないとする考え方もあれば、出血が終わるまで待つよう勧める考え方もあります。自分の気持ちに合わせて決めてください。痛みや不安があるときは、産婦人科に相談してください。
ナプキンを替えてすぐにまたぐっしょり濡れる、またはめまいがするときは、すぐに119番に電話して救急車を呼んでください。出血が何週間も多いままのときは、産婦人科に相談してください。
流産後の排卵
流産のあと、最初の生理より先に排卵が戻ることがあります。多くの人では数週間以内に排卵が戻り、まれに8〜10日後に戻ることもあります。この最初の排卵は、たいていは最初の生理より前に起こります。
排卵に気づかないこともあります。排卵は、気持ちの準備や、妊娠を望んでいるかどうかとは関係なく起こります。ですから、最初の生理の前でも、新しい妊娠が起こり得ます。生理が来なくても、妊娠していないとは言い切れません。
計算も、観察も、排卵検査薬も、どの周期でも避妊には適していません。そのうえ流産のあとは、周期の予測がとくに難しくなります。この先の数週間は妊娠を望まない場合は、最初の生理を待たずに、診察のときに産婦人科で避妊について相談するのがよいでしょう。
流産後の周期の数え方
周期1日目は、ふつう、生理が始まった最初の日です。流産の出血は生理ではないため、新しい最初の周期は、最初の生理から数え始めます。数え方を1つ決めて、それを続けましょう。
流産のあとは予測がとくに不確かなので、日付ではなく期間で考えてください。ふだんでも「排卵日=周期の日数−14日」は目安にすぎません。28日周期でも、排卵が次の生理のちょうど14日前になる周期は、10回に1回ほどです。
検査薬はいつまで陽性?
流産のあとも、体の中にhCGが残っているため、妊娠検査薬が陽性になることがあります。このホルモンは妊娠中につくられます。流産後は減っていきますが、家庭用の検査薬が反応するごく少ない量を、しばらくは上回っています。
どのくらいかかるかは、それまでのhCGの値によります。妊娠が進んでいたほど、たいてい長くかかります。数週間のことが多く、まれにもっと長引きます。約3週間たっても陽性ということはあり得ます。それは産婦人科に聞いてみるよい機会です。血液検査と超音波検査で経過を確かめることができます。
この時期は、1本の線だけでは、新しい妊娠かどうかは分かりません。尿の中にhCGがあることを示しているだけです。大切なのは経過です。線が薄くなっていくのは、予想どおりの経過です。陰性になったあとにまた陽性になったり、線がまた濃くなったりしたときは、早めに産婦人科に相談してください。
デジタル式の妊娠検査薬でも、尿の中にhCGがあるあいだは、流産のあとに「妊娠」と表示されることがあります。
この時期の検査は、気持ちにとって大きな試練です。毎日検査すると、1本の線が希望にも落胆にもなります。検査をしなくてもかまいません。
1本の線は、この時期にはあまり多くを語りません。
流産後の排卵検査薬
流産後の最初の数週間は、排卵検査薬の結果が読み取りにくいことがあります。排卵検査薬は、排卵の前に増えるホルモンのLHに反応します。残っているhCGのせいで、結果が紛らわしくなることがあります。その場合、線は排卵と関係がないかもしれません。hCGがなくても、最初の数か月は周期が不規則になることがあります。複数回の上昇が見られることもあり、はっきりした上昇が出ないこともあります。これは検査薬の欠陥ではありません。
メーカーの説明書には、最近妊娠が終わった場合は結果が紛らわしくなることがあると書かれています。エストロゲンの上昇も表示する上位のデジタル式検査薬では、検査を始める前に2周期待つよう勧めています。
検査してみたいときは、次の順で進めます。
- まず、妊娠検査薬が陰性になっていること。陽性のあいだは、排卵検査薬はあまり多くを語りません。
- ラインは、添付文書に書かれた時間内だけで読み取り、日付と時刻、見えたものを記録します。
- スティックタイプ(試験紙タイプ)では、判定ライン(T)がコントロールライン(C)と同じか、それより濃いときに陽性とみなされます。これはメーカー上の基準であり、医学的な限界値ではありません。薄いラインは陰性のままです。
- 陽性は、LHの上昇を示すもので、排卵そのものではありません。LHが上昇したあと、排卵はおよそ1〜2日以内に起こることが多いものの、いつもではありません。上昇しても排卵が起こらないことがあり、陰性でも排卵していないとは言い切れません。
デジタル式の排卵検査薬のうち、エストロゲンの上昇も表示するタイプでは、点滅スマイリーはエストロゲンの上昇を、固定スマイリーはLHの上昇を示します。LHの上昇だけを表示するタイプでは、表示されるのは空の丸と固定スマイリーだけです。固定スマイリーが出ない周期もあり、それは欠陥ではありません。排卵検査薬は避妊には適していません。検査をするかどうかは自分で決めてよく、しなければならないことではありません。
診察はいつ受ける?
流産のあとの診察は、出血が落ち着いていても受けるものです。自然に排出された場合や薬による場合は、約7〜14日後に超音波検査で確認するのが一般的です。まだ診察を受けていないときは、産婦人科に電話をして、症状がなくても予約を取ってください。子宮内容除去術(掻爬)のあとのフォローについては、産婦人科か病院に相談してください。
産婦人科に電話したほうがよいのは、次のようなときです。
- 出血が約3週間より長く続く、またはいったん落ち着いたあとにまた多くなる。
- 妊娠検査薬が約3週間たってもまだ陽性、または陰性だったあとにまた陽性になる。
- 最初の生理が約8週間たっても来ない。
- 血液型がRh陰性である(血液型は、母子健康手帳を持っていればそこに記載があります。なければ産婦人科で聞いてください)。抗D免疫グロブリンの注射が必要かどうか、産婦人科に相談してください。誰からも話がなかったときは、できるだけ早く自分から尋ねてください。
- 流産が2回以上ある。追加の検査は、流産を3回経験したあとに行うとする指針が多いですが、日本では2回以上の流産(反復流産)でも検査について相談できます。組織の遺伝学的な検査は、2回目のあとでも意味があります。もっと早く調べたいと相談することもできます。
診療時間外で、命にかかわるほどではないけれど翌日まで待てない症状があるときは、お住まいの地域の休日夜間急患センターや休日当番医のほか、#7119(救急安心センター事業、実施している地域のみ)にも相談できます。緊急のときは、すぐに119番に電話してください。不妊治療を受けている場合は、まず通院先のクリニックに電話してください。
診察は、症状がなくても受けるものです。
決まったスケジュールはない
医学的に決められた期限はありません。気持ちの準備ができて、排卵のある周期が来れば、新しい妊娠は起こり得ます。自然に排出された場合は、周期をあけて休む必要はありません。子宮内容除去術(掻爬)のあとは、粘膜が回復するように、生理を1回待つのがよいことがあります。これは産婦人科で相談してください。
最初の生理の前に新しい妊娠が起こると、計算の元になる生理の開始日がありません。その場合、産婦人科は超音波検査で妊娠週数を決めます。
また試すかどうか、いつ試すかは、期限なしで自分で決めてください。今は妊娠を望まない人も、ここでまったく問題ありません。不妊治療中は、通院先のクリニックの計画に従います。ホルモン注射のあと、検査がいつ意味を持つのかも、そこで聞いてください。
早い時期の流産で、誰かが間違ったということはありません。最初の数週間は、偶然の遺伝子の変化が原因であることが多いのです。
今日、何も決めなくていいのです。
流産後の休み(産休)
妊娠12週(4か月)より前の流産は、産休(産前産後休業)の対象にはなりません。
流産で体や心がつらく、働けないと感じるときは、産婦人科の医師に相談してください。休みの扱いは、勤務先によって異なります。
妊娠12週以降の流産や死産は、「出産」として扱われます。産後8週間は、原則として働かせてはならないとされています。産後6週間を過ぎたあとは、本人が希望し、医師が認めた仕事に限って、働くことができます。健康保険に加入している会社員などは、出産手当金や出産育児一時金を受け取れることがあります。くわしくは、勤務先や加入している健康保険に確認してください。
産休中と、その後30日間は、解雇が禁止されています。何週に当たるかは、産婦人科で確認してください。
悲しみ、パートナー、支え
流産のあとの心の痛みは、思いのほか大きいことがよくあります。悲しみに決まった型はなく、続く長さもさまざまで、波があります。パートナーも悲しみますが、その表れ方は自分とは違うことがよくあります。喪失のあとは、悲しみや不安、気分の落ち込みや気分の揺れがよくあります。
1人ではつらいと感じたら、助けを求めてください。かかりつけの医療機関や産婦人科、助産師、あるいは流産・死産を経験した人の自助グループ(ピアサポート)などがあります。流産や死産を経験された方のための相談窓口が、都道府県や市区町村にあります(こども家庭庁のページに、都道府県ごとの一覧があります)。
お住まいの市区町村の保健センターやこども家庭センターでは、保健師や助産師に相談できます。内容は市区町村によって異なります。症状がなくても尋ねて大丈夫です。
とてもつらいときは
よりそいホットライン(0120-279-338)と#いのちSOS(0120-061-338)は、無料で24時間つながります。自分を傷つけたい気持ちがあるときは、すぐに119番に電話してください。
参考用です。医療上の助言や診断の代わりにはなりません。
記録するか、休むか
何かを記録する必要はありません。カレンダーにも、メモにも、最初の数週間の日々や検査、症状を書き留めるよう求められてはいません。書くことが助けになるなら、書きたいことを、書きたいときに書いてください。そうでなければ、書かなくてかまいません。産婦人科に伝えたい症状や質問を残したいときは、日付をつけた短いメモで十分です。
記録するときのルールが1つあります。流産の出血は、生理として周期カレンダーに入れません。そうすると、予測が間違った開始日から始まってしまうからです。メモか症状として残すだけで十分で、最初の生理は、来たときに記録します。この時期は、予測を気にしなくてかまいません。
よくある質問
流産後、生理はいつ来る?
最初の生理は、約5〜6週間後に来ることが多いです。これは妊娠がどこまで進んでいたかにもよります。約8週間までは、あり得るとされています。時期を正確に予測することはできません。流産そのものの出血は生理ではなく、最長で3週間ほど続くことがあり、場合によってはもっと長引きます。約8週間たっても生理が来ないときは、妊娠検査薬で調べて、産婦人科に電話で相談してください。
子宮内容除去術(掻爬)の後、生理はいつ来る?
最初の生理までの期間について、流産の種類ごとの信頼できる別々の数字はありません。約5〜6週間という一般的な目安は、この場合にも当てはまり、遅れることもあり得ます。子宮内容除去術(掻爬)のあとは、粘膜が回復するように、新しい妊娠を計画する前に生理を1回待つのがよいことがあります。フォローについては、産婦人科か病院に相談してください。
流産後、妊娠検査薬はいつまで陽性?
残っているhCGのために、妊娠検査薬が数週間は陽性のままになることがあり、まれにもっと長引きます。妊娠が進んでいたほど、たいてい長くかかります。線が薄くなっていくのは、予想どおりの経過です。約3週間たっても陽性のときは、産婦人科に聞いてみるよい機会です。陰性だったあとにまた陽性になったり、線がまた濃くなったりしたときは、早めに産婦人科に相談してください。
流産後、最初の生理の前に排卵する?
はい。多くの人では数週間以内に排卵が戻り、まれに8〜10日後に戻ることもあります。たいていは最初の生理より前です。そのため、それより前にも新しい妊娠は起こり得ます。計算も、観察も、排卵検査薬も、どの周期でも避妊には適していません。妊娠を望まない場合は、診察のときに産婦人科で避妊について相談するのがよいでしょう。
流産後の最初の生理の量が多い、長引くのはなぜ?
以前とは違うことがあります。周期が落ち着くまでには、数か月かかることがあります。ナプキンを替えてすぐにまたぐっしょり濡れる、またはめまいがするときは、すぐに119番に電話して救急車を呼んでください。出血が何週間も多いままのときは、産婦人科に相談してください。
流産後、排卵検査薬は陽性になる?
最初の数週間は、残っているhCGのために、排卵検査薬の結果が紛らわしくなり、線が排卵と関係しないことがあります。その後も周期が不規則で、複数回の上昇が出たり、はっきりした上昇が出なかったりすることがあります。陽性は、LHの上昇を示すもので、排卵そのものではありません。排卵検査薬は避妊には適していません。
流産後、生理が来ないときはどうする?
約8週間たっても生理が来ないときは、妊娠検査薬で調べて、産婦人科に電話で相談してください。厳密な期限ではありませんが、ちょうどよい目安です。生理が来なくても、妊娠していないとは言い切れません。ただ、残っているhCGのために、検査薬が数週間は陽性のままになることもあり、その場合の結果だけでは多くは分かりません。周期が落ち着くまでには、数か月かかることがあります。
流産後に産休や休みは取れる?
日本では、妊娠12週(4か月)より前の流産は産休の対象になりませんが、働けないときは産婦人科の医師に相談できます。妊娠12週以降の流産や死産は「出産」として扱われ、産後休業(産後8週間は原則として働かせてはならない)の対象になります。産休中とその後30日間は解雇が禁止されています。国が違えば、制度も異なります。
すぐに助けを求める
このようなサインがあるときは、様子を見ないでください。次のときは、すぐに119番に電話して救急車を呼んでください。
- 意識が遠のく、めまいがする、ふらつくなど、立っていられないほどの不調がある
- 出血がとても多く、ナプキンを替えてすぐにまたぐっしょり濡れる
- 強い痛みで、何もできない
次のときは、すぐに救急外来を受診してください。
- 強い、または強くなっていく下腹部痛、あるいは片側だけの痛み
- 肩の痛みと下腹部痛が同時にある
- 38℃を超える熱や悪寒(とくに下腹部痛があるときや、とても具合が悪いと感じるとき)
- 陰性だったあとにまた陽性になった検査と、片側だけの、または強い下腹部痛が同時にある
早めに医師に確認してもらってください。できれば同じ日のうちに、産婦人科で。
- 嫌なにおいのするおりもの
- おさまらない下腹部痛
- いったん落ち着いたあとにまた多くなる出血
- 陰性だったあとにまた陽性になった検査
命にかかわるほどではないけれど待てない症状があるときは、まずかかりつけの産婦人科に電話で相談してください。診療時間外でつながらないときは、お住まいの地域の休日夜間急患センターや休日当番医のほか、#7119(実施している地域のみ)にも相談できます。ここに挙げた番号は日本のものです。
参考用です。医療上の助言や診断の代わりにはなりません。
表示される値はすべて計算によるものです。Cyelleは避妊法ではなく、診断も行いません。





